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紅豚物語
紅豚物語
日本最古の豚肉文化を持つ沖縄
「豚は、鳴き声以外すべて食べる」といわれ、年間消費量は本土の1.4 倍と、沖縄の食文化に欠かせない豚肉。そんな沖縄における豚肉文化は、約600年前の14世紀末。明国(中国)から伝来した黒豚がルーツといわれています。(*)当時の沖縄は琉球王国であり、明国とは冊封関係にありました。そして、明国の使者をもてなすご馳走を用意するために、養豚を本格的に開始。その美味しさと栄養価の高さから、豚食は市井の人々にも広まりました。以来、600 年にわたり、沖縄では養豚技術と豚食文化が発展していきます。一方、沖縄以外の地域で豚食が行われるようになったのは、黒豚で有名な鹿児島が17 世紀、その他の地域は明治以降です。このことから、沖縄は日本最古の豚食文化を有する地であることがわかります。(*)近年、具志川貝塚(沖縄県島尻郡伊是名村・弥生時代後期)で豚の骨が発掘されたことにより、14 世紀以前から豚の飼育が行われ、常食されていたことが明らかになっています。
紅豚物語
誕生前夜
600 年間、脈々と続く沖縄の豚文化。これを引き継ぎ、未来に橋を架けるように、精魂こめて養豚に励む人たちがいます。それが、私たちとパートナーシップを組む生産農家の人々です。彼らが育てた豚(紅豚の前身)を初めて食べた時の驚きを、今も鮮やかに覚えています。とろけるように甘い脂と、噛み応えのある肉質。そして、臭みのなさ。どれをとっても、これまで食べた豚と段違いでした。しかし、同時に、これほど上質な豚肉が、価格や品質の維持などにおいて、生産農家が納得できる形で流通されていないという事実に衝撃を受けました。そして、何より心を打ったのは、彼らが養豚にかける情熱の大きさでした。「安心で美味しい豚を届けたい」と、日夜たゆまぬ研究を続ける姿に、言いようもない感銘を受けました。それと同時に、生産農家の苦労や食肉事業の閉鎖的な現状を知るごとに、 「自分にできることはないのだろうか」という考えが頭をもたげました。そして、沖縄の養豚を取り巻く状況を打破すべく、事業化に向けて動き始めました。しかし、周囲の反応は厳しいもので、「なぜ豚なのか?」「それは事業になるのか?」という声が多く、まずはそこを説得していくことから始めなければなりませんでした。「この豚はただの豚ではない。この豚の味とこだわりなら、絶対大丈夫」とひたすら言い続け、また、当時は食肉偽装問題や産地偽装などで食に対する不安が高まっていたことも後押しをした結果、2003年3月25日、沖縄県読谷村に「おきなわ紅豚」を販売する「株式会社がんじゅう」が誕生しました。「がんじゅう」とは沖縄の方言で「頑丈」、「健康」という意味です。安全で美味しい紅豚を食べて、がんじゅうに過ごしてほしいという願いを社名にこめました。
紅豚物語
紅豚誕生
私たちは、生産農家のものづくりに適正な評価を与えることを目的に、豚肉では国内初のトレーサビリティーを導入し、生産・加工・販売まで一貫して行う流通体系を構築しました。「美味しくて安心な豚肉」という付加価値を生み出したのです。 そして、この「美味しくて安心な豚肉」を「紅豚」と名付けました。名前の由来は、紅豚の飼料に含まれている紅芋の産地が読谷村であること。そして、薩摩芋も有名な鹿児島の 黒豚も、もともとは沖縄がルーツ。この機に、それを取り戻そうじゃないか!という決意がこめられています。
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沖縄の肉文化を体現する、Okinawa Pork Village
豚は、とてもデリケートで飼育が難しい動物です。そのため、私たちは志高い生産者とパートナーを組み、生育環境とえさにこだわり、のびのびと健康に育てることを第一に考えています。これは、沖縄に息づく豚文化の継承です。私たちは、先人から受け継いだ伝統と知恵をいかし、そしてさらに発展させるため、「Okinawa Pork Village」というブランドとそれを体現する複合施設を創設しました。沖縄屈指の自然海岸を有し、古きよき時代の風景が残る読谷村・渡久地ビーチで、紅豚と紅あぐーを通して、沖縄の豚文化の伝統と未来を提案していきます。

 

 

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紅豚物語
琉球在来種豚 アグー
14 世紀末に明国から渡来したとされる黒豚。それを起源とする一品種が、琉球在来種豚のアグーです。アグーという名前は、沖縄の離島・粟国島に由来するのではないかとする説があります。毛は全身黒色で引き締まった肉質、気象は温和で粗食に耐えるところが飼育しやすかったようです。しかし、一頭のアグーから産まれる子豚は4、5 頭と少なく、また小型で脂身が多いため、一頭から取れる肉の量はわずかでした。以上の理由から、戦後は収益性の高い外来種の飼育におされ、戦前に10万頭いたアグーは、戦後の一時期30 頭近くまで減少し、絶滅寸前になりました。しかし、1981年に名護博物館館長の島袋正敏氏が「琉球在来種豚アグー」の保存の重要性を唱え、北部農林高校教諭の太田朝憲氏がそれに賛同。学校を上げて協力した結果、アグーは絶滅を免れました。現在は、沖縄県畜産研究センターを中心に、アグーの保存が進めれ、頭数は600 頭以上まで回復しています。これは、戻し交配法によって選別を進めるなど、沖縄の養豚技術の成果です。
沖縄が誇るブランド豚、あぐー
沖縄が誇るブランド豚、あぐー
琉球在来種豚アグーの特徴は、「豊富な脂肪」と「柔らかく臭みが少ない肉質」です。また、外来種の豚よりコレステロール値は4 分の1 と低く、旨み成分であるグルタミン酸などアミノ酸成分も多く含まれ、食用肉としては大変優れた品種だと言えます。日本本土の在来豚はほぼ絶滅しており(例えば、かごしま黒豚はバークシャー種)、外来種の影響をあまり受けなかったアグーは非常に貴重で、沖縄県も宣伝普及に力を入れてい ます。そのため、現在では外来種との交配が進み、数多くのあぐーブランド豚が出荷されるようになりました。沖縄県では、アグーとあぐーを以下のように定義づけています。

 

アグーのカタカナ表記について 琉球在来種の豚であるアグーの血を100% 有し、かつ沖縄県の検査に合格したもの
あぐーのひらがな表記について アグーの血液を50% 以上有した豚のこと。沖縄県農業協同組合の登録商標でもある
こだわりの紅あぐー
「本物の味」を最大限に活かした、こだわりの「紅あぐー」
アグーは成長が遅く、飼育方法にも気を使う品種です。しかし、一般豚(LWD)に比べて霜降りの割合が5% も多く、 脂肪の溶ける温度(脂肪融点)は38.1 度。そのため、甘みのある脂が口の中でとろけ、肉も柔らかさとコクを楽しめます。しかし、「アグー」というだけで、美味しいわけではありません。どんなに品種が良くても、豚は与える餌や環境で肉の味は大きく変わってきます。加えて、アグーは猪に近い原種の豚なので、獣臭をうまくコントロールしなければ、 臭みが残ってしまいます。養豚においては、このような品種の持つ特性を熟知し、飼料や飼育される環境を調整する必要があるのです。

沖縄の貴重な在来種、アグー。その本当の味を最大限に活かし、 食べた人みんなに「美味しい」と思ってもらえる「あぐー」作りたい。「紅豚」の生産で培った技術と、トレーサビリティシステムをもって。600 年に渡る沖縄の豚文化へのリスペクトと、高い技術。その二つによって生まれたのが、私たちの「紅あぐー」なのです。